今回も宅建とは違う資格の話です。広い意味で住宅に関わる設備の話としてお読みくださいませ。
浄化槽管理士って何ぞや
「浄化槽ってなに?」
知っている人は知っている、知らない人は知らない単語「浄化槽」
ものすごく簡単に言えば、「汚水を綺麗にして放流する設備」です。
町の下水処理場が自宅の敷地内に設置されていると言ってもいいかもしれません。
浄化槽は汚水を綺麗にして敷地から外に出す(系外排出と言います)設備なので、管理がテキトーだと汚れたままの汚水が外に出ちゃう可能性があります。環境破壊になりかねません。
素人で管理するのはなかなか難しい設備です。
自分でできる人なら自分で維持管理してもいいんですが、ほとんどの人は浄化槽の保守点検業者に管理を委託しています。
浄化槽法では、浄化槽の保守点検業者は、浄化槽管理士の国家資格を有する者をその業務に従事させなければならないとされています。
浄化槽管理士の資格は公益財団法人日本環境整備教育センターが行う国家試験に合格するか(受験料は2万円ちょっと)、または環境大臣より日本環境整備教育センターが指定講習機関として指定され実施する「浄化槽の保守点検に関して必要な知識及び技能に関する講習の課程」を修了することで資格を取得できます(講習80時間、受講料15万円ちょっと)。
ほとんどの人は講習で取得する資格
浄化槽管理士は国家資格ですが、取得方法は上述したように国家試験or講習取得があります。国家試験の合格率は80問の出題で、だいたい20~30%程度。
滅茶苦茶難しいわけではありませんが、簡単な試験ではありません。
簡単ではありませんが、独学で合格は可能だと思います。
ちなみに私は大学卒業していますが、文系学部出身なので、理系の資格である浄化槽管理士の勉強はなかなかしんどいものがありました。
しかしこれが講習だと90%以上の合格率となっています。講習では修了試験が課されますが、質、量ともに国試の比ではないくらい簡単だそうです。
ですので、ほとんどの維持管理業者は新入社員を2週間程度の講習に送り込んで、資格を取得させています。
講習合格者と、国家試験合格者の知識量の差はびっくりするくらいあります。
まず知っている用語の数が歴然と違います。
多くの浄化槽管理士はそれぞれの知識と経験則を掛け合わせて水処理の諸問題に立ち向かっていきますが、前提となる知識に差があると、出てくる解決策も貧弱なものになるパターンが多いです。
念の為に書き添えますと、浄化槽管理士は国家資格であり、免状には環境大臣の署名が入ってます。
また、合格者の受験番号は官報に記載されるほどです。←宅建士はされません(笑)
気になる資格手当は…?
例えば、あなたが浄化槽の維持管理業者に勤めていて、浄化槽管理士の資格をゲットしたら手当はいくらくらい支給されるのでしょうか?
これは各社まちまちなので一概には言えませんが、私の勤め先の場合、国家試験合格者で10,000円/月、講習合格者で3,000円/月です。
浄化槽維持管理業者はめちゃめちゃ高給かと言われれば、そんなことはありません。とは言え薄給すぎる…というほどでもありません。従業員数も多くて50人くらいまでの零細企業がほとんどです。
昇給の見込みも大きくは立てられない会社が多いですが、だからこそ国家資格の威力は抜群です。
浄化槽の点検は基本的には1人で実施しますので、黙々と作業をしたい方にはオススメの仕事です。
移動時間も長いから、実際の作業時間は少なめですよ。
ちなみに2025年の試験は10月19日(日)です。←予定
試験申し込みはまだまだ先の話ですが、田舎でまったりと仕事したいなーと思っている方、来年狙ってみてはいかがでしょうか?
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